貴方は目、良いですか?
メガネはかけますか?
メガネをかけた自分の顔は好きですか?
メガネコンプレックス
僕はど近眼で、小五の頃からメガネでした。
そして、メガネも、メガネをかけた自分も大嫌いでした。
エベレストの如く積み上がったコンプレックスを鍋に放り込んで焦げ付くまで煮詰めたみたいな僕という人間のトップ2に入るコンプレックス、それがメガネ(=近視)。
僕ね、いじめられっ子だったんですよ。
外見についても小学校上がる前から中学卒業するくらいまで散々言われたの。
それが小五でメガネって、もう死刑宣告みたいなもん。
ただでさえクソみたいな僕が、メガネで更に下痢グソになる。
メガネに携わっている方やメガネ好きの方には大変申し訳ないんですが、僕にとってはメガネは憎くてたまらないウンコ的存在だったのです。(※他人がかけてるメガネは例外)
無いと生活できないのにね。何という愛憎劇。
コンタクトにしなかった理由
これだけメガネをかけることに精神的苦痛を覚えていたにも関わらずコンタクトレンズにしなかった理由はいくつかあります。
身近にコンタクトの人がいない
新しいモノに手を出す時、身近に前例があるかどうかって結構影響してくると思うんです。
僕にとってはコンタクトレンズって漫画の中のもの(そして廊下や靴箱でよく落とす)という印象でした。
金銭的な理由
身も蓋もない。
しかし父親がヒモ化しており、母が女手1つで家事と仕事を両立しながらパート程度の収入で切り盛りしていた我が家には基本的に殆ど余裕がありませんでした。
あとは兄弟格差とかもね…
宗教的な理由
当時我が家は父教とも言える現実逃避でスピリチュアルにどっぷり浸かった父独自の宗教観に支配されており、その父がその手のものを是としなかった為駄目でした(個別にコンタクトについて尋ねた事はないが駄目だろうと思っていた)。
また父自身もネグレクトを受けて育ったからでしょう、子供が良い思いをしていると気に障るんでしょうね。
もし僕が自主的に「コンタクトレンズを使いたい」なんて言おうものなら多角的な説教(という名の言葉の暴力)を数時間コースで受けたであろう事は想像に易いです。
メガネ紛失事件
外見以前にそもそもメガネの装着感も気に入らなかった僕。
最初は授業中、黒板を見るときだけ。
中学生の時メガネなしで夜道を自転車で運転し柵や段差に突っ込んで数回盛大に転んでからは運転中も。
そんな感じで出来る限り裸眼ですむ状況はメガネをかけずに過ごしていました。
ところが大学に入って1ヶ月程経ったある日、うっかり教室にメガネを忘れ、学務の落とし物から見つけた時には片側のレンズがなくなっていました。
なんという無情。
当時我が家は働かないくせに仕事と称して南極旅行に行ったりする父のせいで困窮を極め、また自分自身メガネをかけることが気に食わなかったこともあり、そのままメガネなしの生活が始まったのでした。
結果はまともに授業が受けられず留年、学科の同期の顔はほぼ覚えられず、サークル活動も近視のせいでろくに上達できず、その他人間関係など諸々が重なって最終的に自主退学と散々なもの。
いや本当、メガネという優秀な補助具が普及してるってだけで、近視はほぼ障害みたいなもんですよ。
出来る事なら当時の自分に4年分のコンタクトレンズ(と他にも色々)をプレゼントしたい。
メガネとの再会
そんなこんなで数年間裸眼近視生活を送ったわけですが、とある事情により再びメガネを買うことを余儀なくされました。
そう、運転免許の取得です。
買ったばっかりのメガネと共に乗り込んだ合宿所へ向かう長距離バスの中、窓を流れる景色に「世界ってこんなに解像度高かったんだ」とひとしきり感動した記憶があります。(同じ事をICL手術の後も思ったな…)
以降はまたメガネ紛失事件前と同様の生活が始まりました。
メガネの存在にイライラしつつ、自分の外見に嫌悪感を覚えながら。
ちなみに裸眼生活の間に視力はかなり低下(両目0.1以下)しており、起きている間は殆ど眼鏡をかけて過ごすことになりました。
コンタクトデビュー
友人にコンタクト利用者が増えたり、金銭的にも少し余裕ができたり、初めて行った原宿で怪しげな店から勢いでカラコンを買ったりした末、とうとうコンタクトレンズに手を出しました。(父の精神的支配からまた一歩脱却した瞬間)
これでショーをする時に客の顔がよく見えずにステージに上げる人選をミスることも、オシャレして出掛けた時に自分のメガネ面を気にすることもなくなりました。
というか今までよく裸眼でステージに立ってたな自分。
しかし、基本的に平日はほぼ引きこもりの為メガネ。
デスクワークはコンタクトだと目が疲れて長時間は無理です。
一方技術的な練習をしようと思うと眼鏡では厳しく、かと言ってほんの数十分のためにコンタクトを消費するのも勿体無い(ので結局何もしない)。
なんなんだよもう。
依然、僕の生活はメガネに支配されたままなのでした。
つづく